3DCGソフト「Blender」がバージョン3.0を公開し新機能に注目が集まっています。
数え切れないくらいの新機能が実装されておりますが、特に嬉しいのがレンダリングの処理速度が従来の2〜8倍になったことです。
また.blendファイルの保存や読み込み速度の向上など、ユーザーにとっては嬉しいアップデートが盛りだくさんです。
今回ご紹介する新機能は、氷山の一角になりますので気になる方はぜひ公式サイトもご覧ください。
目次
新レンダリングエンジン「Cycles X」
新レンダリングエンジン「Cycles X」を導入しています。
GPUレンダリングのパフォーマンスとインタラクティブ性が大幅に改善されており、実写シーンのレンダリングが2倍から8倍になると発表されています。
シャドウターミネーター
ローポリゴンのゲームモデルで頻繁に発生するシャドウアーティファクトを軽減するための新しいオプションが追加されています。
法線で指定された滑らかな表面に合わせて、平面から光線をオフセットします。
シャドウキャッチャー
より正確なコンポジティングのための間接光と環境光をサポートしました。
「ライトを含むか含まないか」「実在するか、合成されたオブジェクトであるか」を考慮するオプションとなっています。
色のついた影と正確な反射により、3Dと実写の融合がより簡単になりました。
デフォルトでは、シャドウキャッチャーは結合パスのアルファチャネルにのみ影響します。
ただし、色付きの間接光と発光を完全に処理するには、新しいシャドウキャッチャーパスを使用する必要があります。
背景にShadowCatcherパスを掛ける必要があり、その後Combinedパスをアルファオーバーで合成可能です。
ビューポート
ビューポートは、レンダリングモードの速度を向上させるため、より高い応答性を追求したと発表されています。
オーバーレイをオンにしていても、3Dビューポート内の移動がより反応しやすくなったようです。
ノイズ除去
OpenImageDenoiseがバージョン1.4にアップグレードされ、システムが改善されました。
補助アルベドと通常のパスのノイズ除去を制御するために、新しいプレフィルターオプションが追加されています。
・ボリュームの補助アルベドと通常のパスが改善
・ボリュームの詳細がより適切に保持され低周波ノイズが低減
サーフェススキャタリング
サブサーフェススキャタリングは、ランダムウォークの異方性と屈折率をサポートするようになりました。
リアルな肌の異方性は約0.8です。
アセットブラウザー
アセットブラウザーは、自分のアセットにすぐアクセスできるだけでなく、 追加のライブラリを使用することで豊富なオプションをすぐに利用できます。
オブジェクト、マテリアル、ポーズ、ワールドという複数のアセットタイプに対応。
今後のバージョンアップで、より機能を追加・拡張していく予定です。
ファイルの保存とロードの高速化
gzipの代わりにZstandardアルゴリズムを使用することで、圧縮された.blendファイルのロードと保存が大幅に高速化されました。
簡単なドラッグ&ドロップ
Drag & Dropで直感的に操作ができる機能も追加されています。
ジオメトリーノード
2.92で導入されたプロシージャルシステムが拡張され、ノードグループの設計方法が再構築されました。
また、新しいアトリビュートシステム、曲線やテキストデータ、インスタンスなどを操作するための約100個の新しいノードが追加されたと発表されています。
ストリップサムネイル
ビデオシーケンサーがサムネイルプレビューをサポートするようになりました。
VRコントローラー
Blender 3.0は、コントローラーを視覚化する機能や、コントローラー入力を使用してVR内のシーンをナビゲートする機能など、VRコントローラーベースの機能が追加されています。
ポーズライブラリ
新しいアセットブラウザで、Blenderのポーズライブラリシステムが大幅にアップデートされました。
グリースペンシル
2Dアニメーションのワークフローは、新しいモディファイア、描画エクスペリエンスによって改善され続けており、ラインアートのパフォーマンスは前回のリリースから大幅に改善されています。
ドットダッシュ
この新しいモディファイヤーを使用すると、ストロークにドットダッシュを自動的に生成したり、さまざまなマテリアルやオフセットなどを割り当てたりすることができます。
いかがでしょうか、気になる機能はありましたか?
今回はアップデートされた代表的な機能のご紹介をしました。
実際にBlender 3.0を使用してみるのが一番早いと思いますので、まだダウンロード or アップデートしていない方はぜひお試しください。